ギランバレー症候群の種類と実情

ギランバレー症候群は、大きく分けると2つの種類に分けられます。ひとつは断線型と呼ばれており、もうひとつは絶縁体破壊型と呼ばれています。カンピロバクター菌が原因の場合は断絶型が多く、サイトメガロウイルスが原因の場合には絶縁体破壊型が多いといわれています。一般的には、断線型の方が予後が悪く、その回復速度も絶縁体破壊型の3倍くらいかかるといわれていますが、人によってその予後というものはかなり違ってくるようです。

 

また、再発の可能性は2%、再燃の可能性は10%前後といわれています。免疫グロブリン大量静注療法と血漿交換療法がよく行われているイギリスでは、ギランバレー症候群が発症した人のおよそ25%が呼吸が出来なくなり、人工呼吸器につながれていると報告されていますが、実際のところ、日本ではそれほど多くの人が人工呼吸器につながれるわけではないようです。

 

ギランバレー症候群が発症した場合、手足の麻痺などの症状は、遅くとも1ヶ月以内にピークに達します。その後は、半数くらいの人は数ヶ月以内に徐々に回復していくようになります。そして、発病してから1年ほど経過すれば、およそ60%の人はほぼ完全に治ります。

 

しかし後遺症が残るケースもあり、欧米においては、自力歩行が出来ないなどの後遺症が残る人がおよそ15%おり、経過中に死亡する人がおよそ5%いると報告されています。しかし、日本の研究班による報告では、自力歩行が出来ない人はおよそ10%であり、死亡した人はおよそ1%未満という結果となっています。