ギランバレー症候群の概要

ギランバレー症候群は神経炎の一種であり、主に筋肉を動かす運動神経が障害を受けることによって、手足に力が入らなくなるといった症状のある病気ですが、神経内科系の病気の中では、珍しく完治しやすい病気であるとも云われています。

 

ほとんどの場合では、その前段階として風邪の諸症状や下痢、腹痛などの症状があることが多く、それらの症状が出てから1~2週間経った後にこのギランバレー症候群が発症するようです。

 

その症状は、手足の筋力低下や運動麻痺、感覚異常などですが、たいていの場合はこのような症状が2週間から1ヶ月ほど進行した後、徐々にその症状は沈静化していきます。ただし、中には症状が重い場合もあり、呼吸筋が障害を受けることで呼吸が出来なくなることから、人工呼吸管理が必要とされるケースもあります。

 

ギランバレー症候群の原因というものは、現在のところはまだ完全に解明されてはいません。ただし、この病気に先立っては、ウイルスなどの感染が多く認められています。ウィルスなどに感染した場合には、人間の身体はそのウイルスを排除するために抗体を生成することになりますが、このギランバレー症候群の場合には、その際にそのようなウイルスなどと同じ抗原を持っている自身の運動神経を攻撃する抗体が作られてしまい、それによって自分の運動神経が障害を受け、筋力低下などの症状が現れるのではないかと考えられています。