ギランバレー症候群の原因

近年になってから、ウイルスや細菌というものが人間の運動神経と似た構造を持っていることが解明されましたが、このことがギランバレー症候群の原因と関係していることが明らかになりつつあります。現在のところ有力視されているのは、カンピロバクター菌説とサイトメガロウイルス説の2つのようです。

 

カンピロバクター菌説とは、鶏肉に主に含まれているカンピロバクターという菌が原因となるというものです。このカンピロバクターが体内に入ると、免疫系がこの菌を殺すために抗体を作るのですが、この菌と人間の神経細胞が似ているために誤って抗体が運動神経を攻撃してしまいます。その結果として、筋肉が動かなくなるというわけです。
実際にこの菌が体内に入ると、2日ほどして下痢や発熱などの症状が現れ、その1週間後ぐらいから手足の麻痺などが起こるといわれています。

 

一方、サイトメガロウイルス説は、成人のおよそ80%が感染していると云われているサイトメガロウイルスに対して作られた抗体が、誤って自身の神経細胞を攻撃してしまうという説です。一般的に、ウイルスは薬で殺すことが出来ないと云われているのですが、このサイトメガロウイルスに関しては例外であり、このウィルスを殺すことの出来る薬が存在しています。したがって、血液中の抗体値が高い患者は、この薬を使用するとその症状が改善することがあるようです。