ギランバレー症候群の治療法

ギランバレー症候群の治療法には、血漿交換と免疫グロブリン大量療法という2つのものがあります。

 

血漿交換とは、機械を使用して体内の血漿を入れ替えてしまう治療法です。運動神経を攻撃する悪い抗体というものを、直接的に取り去ってしまう方法であり、通常は急性期に行なわれることが多いようです。実際には、機械を通して他人から採取した血漿を大量に体内に入れることになりますので、拒否反応が起こったり、急に血圧が下がり頭痛などが発生する場合があります。ただ、この治療は、施設が完備された大きな病院でなければ受けることができません。

 

一方、免疫グロブリン大量療法は、厚生省によって2000年に認可された最先端の治療法です。免疫グロブリンとは、他人の血液から採取した抗体を集めたものであり、一種の血液製剤であるといえます。実際の治療では、この免疫グロブリンを5日間点滴することになります。この免疫グロブリン大量療法のメリットは、血漿交換が大掛かりな設備を必要とするため、大きな病院でしか受けられないのに対して、小さな病院であっても点滴のみで簡単に治療が施せるというところです。ただし、この免疫グロブリン大量療法には、肝機能障害を併発しやすいというデメリットもあります。実際に、この治療を受けた患者のおよそ40%が肝機能障害を起こしているという報告もあります。